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プレ渋家縄会 第3回レポ

悠です。

さる3月21日(土)に開催したプレ渋家縄会第3回のレポートです!

 

前回のレポートはこちら

渋家縄会(家縄会)とはこちら

 

 

今回のテーマは「現代緊縛史」!

家縄会ではもはやおなじみのテキスト、『緊縛の文化史』(すいれん舍)のレジュメを手引きに、戦後「緊縛」の文化的担い手となった雑誌・映画、そしてそこで活躍した作家やアーティストたちを知り、今日の「緊縛」のあり方を学びました。

 

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キーワードになるのは、なんと言っても「奇譚クラブ」。

前回の家縄会でキーパーソンとなった伊藤晴雨、彼が創出した「緊縛エロス」が大衆文化に溶け込んでいく様を語る上で、この雑誌は欠かせません。

 

また、もう一つ重要なのは「日活ロマンポルノ」。

もともと、江戸時代の刑罰の一つだった捕縛術。

それが歌舞伎の題材となり、演じられ、今日の緊縛パフォーマンスにまで精錬されたのは、日活ロマンポルノに端を発する緊縛師(縄師)の登場と目覚ましい活躍があってのことです。

 

また、レジュメ発表の最後では、SMの商業化・通俗化による明暗について思いを巡らし、これから緊縛について学ぶ個々人の姿勢について問いました。

 

後半のワークショップは前回に引き続き、基本的な「結び」について学びました。

 

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この日の参加者は8名。男女比は半々。

中には緊縛を何年も嗜んでいる人も、この日初めて縄に触る人もいました。

 

どの業界でもそうだと思いますが、なにか一つのものが世に広まるとき、それは常に功罪半ばの未来をもたらします。

 

商業化し大衆化することで、緊縛へ臨む個人の不安や葛藤は、ある側面では和らぎます。

しかし、そもそも緊縛で「人を縛る」ことは、「人の自由を“預かる”」ということです。

そのためには、その人を支える「力」が必要です。

だから不安だし、それでもそれを求めてしまえば、悩むこともあって当然です。

また、なにか困難にぶつかったときは、「あの人がやっていたから」という風に他人を頼ることはできません。

「力」は自分の鍛錬で維持するしかありません。

 

プレ渋家縄会の全3回が終わり、次回からは「本」渋家縄会になります。

この会へ参加するために緊縛経験の有無は不問です。そして、どの人にも「縄」「緊縛」をめぐる重層性・奥深さへの気付きを、私は促してきたつもりです。

その理由は、縄が、それをどう扱うかによって、人を支える命綱にも、首を締め上げる凶器にもなるからです。

だからこそ色々な角度から「縄」を捉えてみる必要がある。

その方法の一つとして、私はこの家縄会を提示します。

 

堅苦しくなってしまいましたが、プレ家縄会を全て終えて、改めて今後の「縄」との向き合い方を再認識し、

また、参加して下さった方に深く感謝を申し上げたいと思います。

ありがとうございました!

 

今後も家縄会は月1回のペースで継続していきます。

次回の開催は4月18日(土)です。

ではでは!