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大人部ブログ

初めての方はカテゴリより「はじめに」をご覧下さい。

【4月5日】生まれて初めてゲイピンク映画を観てきました!

 前日から引き続いて、十条駅北口すぐの上映施設のあるカフェ、シネカフェ・sotoにて浜野佐知ジェンダー映画祭に行ってまいりました!今日は、浜野佐知監督作品に多数脚本として参加している山崎邦紀監督の1993年製作の薔薇族映画『そして僕らは変わった』を観てきました。

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 薔薇族映画とは、男性の同性愛者向けに撮られたピンク映画です。ピンク映画は性描写の多く盛り込まれている映像作品という点ではアダルトビデオと一緒なのですが、AVと違い、映画倫理委員会(通称:映倫)の審査が性描写の基準になるので、直接的な性交渉を行っている様には映せなかったりします。ただ、ピンク映画やロマンポルノはさんざん観てきたので分かっているのですが、さて薔薇族映画となるとちょっと予想がつかないということと、あとは好奇心や興味はあったものの、映画館自体がハッテン場(同性愛者同士の性的な交流の場)であることは知っていたので、右も左も知らない自分が行くには少し勇気がいるので、こうした薔薇族映画館以外の場所で上映されるというのは、格好の機会でした。

 

 森の木々から粘菌の採取、研究を行いながら、人々と自然が共存できる生き方の実現を行おうという活動をする男性ばかりの集団の中に、ある日同性愛者がいることが発覚する。しかしそれをきっかけに、それまでの活動と並行して同性愛の研究という名の下、同性愛者でもないメンバーまで巻き込んで交わる「ホモ実践」が行われるようになる・・・というあらすじの映画です。

 

 上映前に軽く山崎監督からの挨拶があったのですが、その中で「変な映画」と言っていたことが気に掛かり、ピンク映画というジャンルが言ってしまえば、そもそも不自然なぐらいにカラミ(=性交渉)が多いという変なジャンルなので、さて一体どこからどこまでが変なのだろうということで、上映後のトークにも参加しました。

 ちなみに今回の映画祭は全日、浜野佐知監督の新作である『BODY TROUBLE』の上映とセットで、この日も上映がありました。トークショーはその2本の上映を終えた後に行われるので、『BODY TROUBLE』への質問も含めたものとなりました。

 

 まずは山崎監督からの『そして僕らは変わった』製作・公開当時の薔薇族映画についての話から始まりました。現在では日本初の男性同性愛者向けの商業雑誌の『薔薇族』からとって「薔薇族映画」と呼ばれるようになったが、映画が製作された93年当時は「ホモ映画」と呼ばれていたこと(他者として「ホモ」という言葉が使われるのは差別的、ということで改められたとのこと)、薔薇族映画が公開されていた映画館というのは主にハッテン場として栄えていたが、ネットの登場により、製作当時よりもハッテン場が多様化、分散化されて薔薇族映画をめぐる状況そのものも大きく変化していることなどを話していました。他にも、当時「ホモブーム」だったとかで、公開時の劇場に多くの人が来ていた、出演者の樹さんという役者さんを「ホモ映画界のトム・クルーズ」として売り出した、などの話もされていました。

 『そして僕らは変わった』についてですが、この映画で集団の中に属する出演者が、全員半ズボンにサスペンダー姿なのは、金子修介監督の『1999年の夏休み』のオマージュで、最近金子修介監督に会う機会があった時に、「あなたの映画をベースにしてホモ映画を作ったんですよ!」って言ってポカーンとされたこととか、ディスカッションとカラミのシーンしかない映画になったのは、あさま山荘事件などを起こしてきた過激派集団の主犯格である永田洋子のインタビューを基にして、「人間の共産化」をテーマにして作られたことが関わっていることとか、劇中で「コンドーム、つけるね」ってセリフがあったのは、HIV問題などで取り沙汰されていた当時の世相を反映してのことだとかのお話を、時折場内の爆笑や、浜野監督や上映会常連の観客からのツッコミなどがおきながらも、終始山崎さんは真面目に語っていました。僕も登場人物全員の下着がブリーフだったことが気にかかったので何故かと聞いたら、先にも書いたように映倫の審査上、直接的に男性器を見せられないので(股間に挟んである張り型を舐める、というシーンなどはありましたが)、股間の膨らみがわかるように撮るためには、生地が薄めのブリーフになる、という答えをもらいました。

 そのトークの中でも山崎さんが嬉しそうに語っていて印象的だったのは、他の観客の方からの質問で、カラミのシーンにおいて役者同士が互いの陰嚢を撫で回し、こすり合わせるというシーン(そのシーン自体ではなく、絡みにおいてどこまで本当にやっているのか、という質問だったのですが)についての言及があったときで、「あの4つの玉が転がり合うというのをホモ映画ではどうしても収めたかったんだ」という独自のこだわりを語っていらっしゃいました。浜野監督が「そういう時に撮ってる側の顔見ると面白いんだよ!本当に嬉しそうな顔して撮ってるんだから!」とツッコミを入れていて、またもや場内爆笑。前日同様、和やかでアットホームな雰囲気のトークショーでした。

 この映画祭、まだ11,12,18,19日に開かれるので、ピンク映画というものに興味があるけどピンク映画館に行くことはなかなかできないという方、ジェンダーについての映画を観たいという方は、是非おすすめします!

株式会社 旦々舎 | 浜野佐知・ジェンダー映画祭

 

 それから、映画祭開催期後の25日にも、浜野佐知プロデュース、山崎邦紀監督作品をピンク映画館に観に行こうという鑑賞ツアーも企画されています。しかも、なんでも観客の方から「よく企画通ると思いますよね!」と言われるぐらいのめちゃくちゃなストーリーの作品みたいです。

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こちらのチラシにストーリーがあるので、ちょっと書き写してみます。(以下「」内はチラシより引用。原文ママ。)

「廃工場でオナニーする女。

その後をつける肛門探偵。

女の父親は、マグロの目玉料理を食べる目玉主義者。

女の義母は、レディ・ガガのような醜女メイクをしている。

 

探偵の女助手は、女の父親が女の父親が幼児の頃から監視カメラで娘に接していることを突き止める。

女は家では良き娘で、廃工場でオナニーする時は別の人格になっているらしい。

女の前に若き電気工事人が現れ、恋仲になる。

彼は電池を舐めることで勇気を得ていた。

女も電池を舐める。電池の恋人たち。

 

肛門探偵は女の家に乗り込み、父親と対決する。

日常的な監視カメラが、娘の性的な別人格を生んでいるのだ。

その時、女の別人格が実の父親に向かって爆発した!」

 

 なるほど、意味がわからない。でも山崎監督曰く、「出来たの観たらわかると思うんですけど、普通ですよ。」とのこと。まあ、映画ってそういうもんですね。

 こちらも普段ピンク映画をなかなか観る機会が無い方に向けての企画みたいです。詳しくはこちらのツイートを参照して下さい↓